大正から昭和にかけて次々と創刊された児童雑誌に掲載された絵画は、その時代の少年少女たちを夢中にしました。しかし、当時は子供のために描かれた絵(童画)は童話や童謡の付属物のように低く扱われていました。このような中、武井武雄が童画だけの展覧会を開くなどして芸術性を強くアピールし、童画の存在を徐々に浸透させていきます。続く世代の林義雄、鈴木寿雄らは、「コドモノクニ」「キンダーブック」などといった雑誌を中心に活躍し、童画の発展に大きく寄与しました。
足立美術館では、林義雄、鈴木寿雄、武井武雄、川上四郎、黒崎義介、井口文秀の6名の描く、感性豊かな童画を多く所蔵し、童画コーナーにてご紹介しています。
林義雄「またきてね」「花合わせ」「満月」「シンデレラ」「いないいないばあ」 鈴木寿雄「きつねのよめいり」 武井武雄「読書会」 川上四郎「良寛さま」 黒崎義介「大国さま」 井口文秀「貝のコンポジション」