足立美術館の魅力のひとつであり、日本庭園と並び高く評価されているのが近代日本画コレクションです。横山大観、竹内栖鳳、上村松園、橋本関雪、川端龍子、榊原紫峰、伊東深水など、近代日本画壇を作り上げてきた巨匠たちの名作の数々を所蔵しています。
所蔵品のほとんどは、創設者・足立全康の眼によって厳選されたものです。作家や作品を選択する上で、特定の流派や傾向に偏らず、実に幅広い収集を行っていることが特色といえるでしょう。本格的な日本画収集は1957年(昭和32)頃から始まったものですが、1990年(平成2)に亡くなるまで、コレクターの執念ともいえる情熱は決して衰えることがありませんでした。
そして現在でも、足立コレクションの基本を踏まえながら内容の充実に努めており、これらの作品は、庭園の四季の変化とともにお楽しみいただけるよう特別展を開催し、本館(大観室・大展示室・小展示室)において、常時70点前後の作品を公開しています。